ハルの格闘ゲーム研究所

初心者にもやさしく、しかし論理的な攻略を理想として目指しています。所長: Dr_Hal

もちもちさんとの「果たし状」対戦振り返り

はじめに

 ハルです。三度の飯の次に格ゲーが好きです。2023年2月7日に、もちもちさん(https://twitter.com/Usf4G?s=20)主催の3先3本勝負に挑んで参りました。せっかくなので、事前の取り組みから事後の振り返りまでをここにまとめたいと思います。事前準備にあたっては自分が既に持つガイル対策をベースにしました。その上で、もちもちさんのスタイルに合わせて過不足を修正する方針を採りました。

 試合の模様はもちもちさん本人のYouTubeチャンネルで全編視聴できます(以下のリンク)。試合後にはもちもちさんと私の感想戦があります。この記事には記載していない内容も含まれています。よろしければご覧ください。

www.youtube.com

 

目次

 

立ち回り

 この組み合わせは一言でいえば「攻めるキャミィと守るガイル」という構図です。キャミィは投げ間合いまで近づき、ガイルはソニックや各種牽制技でそれを阻止するのが互いの立ち回りの基本です。

 キャミィの特徴的な接近手段にストライクがありますが、ガイルのサマソの前では無力です。しかしながら、サマソは下タメ技なので、ガイルはサマソを撃てる状態ではしゃがんでいて距離調整ができません(フォートレスムーヴは例外)。その弱点をついて、ガイルの姿勢に依って立ち回りを切り替えることでキャミィが攻め込む隙を作ります。

ガイルがしゃがんでいる時

 ガイルがしゃがんでいる時は、ソニックを撃つ可能性が高いと読まない限り飛びません。地上戦の基本に忠実に戦います。

 中間距離(ここではガイルの強kからキャミィの中k程度の間合い)では、中kやしゃがみ強pで白ゲージを溜めます。その中で、牽制への差し返しやソニックの発生を潰すことを狙います。ガイルの牽制が減ったら、歩いて中pを当てたり踏み込んでファジー潰しを狙ったりします。それもガードするなら投げに行きます。

ガイルが歩いているとき

 ガイルが歩いているときは、通常の地上戦に加えて飛びも選択肢に入れます。ガイルの無敵対空が無くなるので、通常技対空に勝つストライクと様子見やソニックに勝つ通常飛びで揺さぶりをかけます。

 

密着の攻防

キャミィからガイルへの攻め

 ガイルは最速通常技が発生4Fのキャラなので、その点では防御が弱いです。キャミィの弱kやリフトアッパーなど、キャミィ+1の状況から攻めやすいです。このことを念頭に、チャンスでは強気に攻めてダメージを稼ぎに行きます。

 EXサマソはガイルの強力な防御手段ですが、過度に警戒しないようにします。立ち回りを頑張って攻めのチャンスを増やせば勝てます。「グラ潰しでついでにガードできればラッキー」くらいの気持ちでいます。

ガイルからキャミィへの攻め

 ガイルは「打撃」「投げ」「リバスピ」の3択をかけてくる事が多いです。リバスピに大きなリターンを取れるファジーコパンを軸に守ります。打撃をガードした後は後ろ下がりで逃げます。ガイルには密着の小足以外に下段から崩す手段がほとんどないので、後ろ下がりが有効です。

 

もちもちさんのキャミィ戦分析と、それに合わせた戦略の修正

 もちもちさんのリプレイを見る上で注目したのは以下の4点です。

  • 密着の攻防
  • 技振り
  • ソニックのタイミング
  • Vストライクへの対処

密着の攻防

 もちもちさんの防御はガード、グラップ、バクステ、ワンガードファジーコパンorジャンプ、シフト…etc. 正直に言ってかなりバランスが良かったです。人読みに使える程の癖は無かったので普段通りやることにしました。強いて言えば、EXサマソが比較的少ないくらいでした。

 攻めについては中p、投げ、リバスピが主だったので、予定通りファジーコパンを軸に守ることに決めました。

技振り

 「中間距離でソニックをガードさせて前ソバット」が多かったです。そこで、中間距離でこちらが歩きガードしたいところで、あえて下がってソバットに差し返しを狙うという戦略を用意しました。

 ガイルのVゲージが溜まっている時は中足発動を狙う傾向もありました。ガイルの中足を見てから差し返すのは難しいので、タイミングを読んでキャミィの中足を下がり置きすることにしました。また、中足の間合いを外すのが難しい状況ではガード発動させるように心がけました。

ソニックのタイミング

 中間距離で一瞬下がってから撃つことが多いように感じました。サマソも出ないタイミングなので、ガイルの下がりを見てから飛ぶのが有効と考えました。それに加えて、普段は通常技対空を読んでストライクで飛ぶことが多いですが、ソニック読みの通常飛びを増やすことにしました。

Vストライクへの対処

 置きでバックジャンプをしていました。これには付き合わずに前歩きでラインを上げることにしました。Vストライクをガードした後は、バックジャンプが他の人より多いと感じたので、打撃択を多くしようと考えました。

 

試合の振り返り

 以上の戦略を用意して、試合当日を迎えました。挨拶もそこそこに、通話を切った瞬間、一気に緊張感が高まりました…。

第1セット

1本目(負け)

 重ねミスを始めとして普段はやらないような失敗を連発しました。中でも致命的だったのが、ジーコパンのタイミングを間違えたこと。遅すぎてリバスピをカウンターで食らったり早すぎて中pを食らったりと酷いものでした。後に修正できたから良かったものの、この時は焦りました。

 焦った雑な差し込みや置きに牽制を食らい続け、ほとんど何もできずにストレート負けしました。たまに訪れる密着択のチャンスもほとんど凌がれました。投げが少なすぎましたね。

2本目(勝ち)

 立ち回りの無駄な被弾が減り、こちらが攻める時間も増えてきました。この時点でいくらか心が落ち着いていました。事前準備は前提として、早期に落ち着きを取り戻したのが一番良かったかも知れません。格ゲーはメンタルゲー。

 途中のノーマルフーリガンはやってません。削除してください。

3本目(勝ち)

1ラウンド目

 序盤にソニックを潰す狙いで振った強kがガイルの強kに噛み合いクラカン、投げで画面端に到達し、一気に流れを手にします。中足発動も警戒してそのまま倒し切れました。このラウンドはかなり理想的な展開でした。

2ラウンド目

 ライン上げたところで、シフトブレイクからのEXサマソで強引に押し返されました。その後のソニックにその場受け身からのEXアローで反撃して持ち直します。ここは知識が活きました。終盤、ファジーコパンミスにリバスピがカウンターヒットしリーサル、と思いきやもちもちさんのコンボミスで九死に一生を得ます。本番はお互いミスが怖い…。最後は間合い調整に中足を差し込んで勝ちました。

4本目(勝ち)

1ラウンド目

 リフトアッパーや中pの単発確認や振り向き昇龍のミスなど、反省するべき点が多かったです。最後はついにファジーコパンが決まりました。

2ラウンド目

 ファジー潰しの歩きしゃがみ中pが決まり画面端に到達し、運よくEXサマソを2回ガードして倒し切りました。

第2セット

1本目(負け)

1ラウンド目

 中足確認をミスして大ピンチに陥りました。苦し紛れに、中足1点読みでキャノンストライクで飛んだところ、もちもちさんは硬直の短い小足を置いていて、そのままサマソで迎撃されました。うますぎる……。最後は無様なストライクミスを晒し、サマソで沈められました。

2ラウンド目

 コンボミスが目立ちました。発動CAを嫌って、Vリバを吐かせるCAが当たって削り勝ちしました。

3ラウンド目

 序盤のコンボミスから取られたリードが効き、逃げ切られました。

2本目(勝ち)

1ラウンド目

 遠目のEXソニックを食らい、しゃがみ強p確認CAが出ないとミスが続き焦るも、最後は冷静に弾抜けCAで逆転勝ちできました。

2ラウンド目

 再びバクステにコマンドを仕込んで弾抜けを狙いますが、失敗を恐れてできませんでした。

3ラウンド目

 ワンガードシフト一点読みの前ステが通って画面端に到達し、最低空EXストライクがソニックに2度噛み合って倒し切れました。

3本目(負け)

1ラウンド目

 最後のコンボはCA使わなくても1ゲージで倒し切れてました。速い展開の中で的確な判断を下し続けるのは難しいです。

2ラウンド目

 もちもちさんの投げ択が増え始めた気がしてグラップ入れましたが気のせいでした。リバスピからCAで大ダメージ、そのまま文句なしのP負けでした。こういう小手調べは相手のゲージが無いときにやりましょう。

3ラウンド目

 試合中は気が付きませんでしたが、もちもちさんの小足置きが増えて小さいダメージが積み重なってました。

4本目(勝ち)

1ラウンド目

 生発動に確定した中pからのコンボをミスしてヒヤリとしました。この時のコンボ難しすぎる。

2ラウンド目

 遠目EXサマソからの弱ソニックにはEXアローで弾抜けできませんでした。検証が甘かったです。

5本目(負け)

1ラウンド目

 単発確認のミスが目立ちます。最後は択が通ったから良かったものの、CAで倒し切った方が良かったと思います。油断はしない。

2ラウンド目

 発生3のVスパイクで強kに反撃しようとして、リバスピを強kと見間違える酷いミスを犯しました。普段やらないミスが出る、本番の恐ろしさよ。

3ラウンド目

 終盤はしゃがみ強p確認CAと弾抜けCAを狙ってましたが、確認ミスをしてしまいました。どちらか一方に集中した方が良かったですね。

第3セット

1本目(負け)

1ラウンド目

 画面端に追い詰めた時に、牽制を食らいながらもラインを下げなかったのが功を奏しました。

2ラウンド目

 終盤、CAを当てたくて歩いたところを潰されました。焦って狙いを悟られてはなりません。

3ラウンド目

 画面端の起き攻め弱ストライクからEXスパイクは荒らし行動でした。二度としません。

2本目(負け)

1ラウンド目

 この辺から、今度こそもちもちさんの投げ択が増え始めました。

2ラウンド目

 序盤はリードされつつ画面端で良い状況を作りますが、差し返しミスから負けてしまいました。

3本目(勝ち)

1ラウンド目

 最終セットで2本先取され、しかも良くない負け方が続き、焦燥を禁じ得ませんでした。半ば自暴自棄に飛んだのが噛み合い、ラウンドを先取しました。これでなんとか気持ちが落ち着きました。

2ラウンド目

 しゃがみ強pCAのリーサルを狙いました。先ほどの反省を活かして弾抜けは捨て、他の行動も多めに混ぜつつ、本命を通しました。

4本目(勝ち)

1ラウンド目

 白ゲージが溜まったところで無理をしなかったのは我ながら良い判断でした。終盤はもちもちさんの技振りが極端に少なかったので、中kでガードを意識させて前ステを通しました。

2ラウンド目

 最後のコンボは生発動から始めればリーサルだったかも知れません。序盤にラウンド先取を活かして、CAでリードを取ったのは良かったと思います。

5本目(引き分け)

1ラウンド目

 先ほどは失敗した、強kにVスパイクでの反撃をすることができました。最後のは恐らくサマソミスなのでラッキーでした。

2ラウンド目

 終盤、弾抜けCAとしゃがみ強pCAを交互に狙いますが、どちらも警戒されていたようです。焦ったところを上手く突かれてEXサマソでリードを広げられました。歩き投げでなんとか追いつこうとしましたが、及びませんでした。

3ラウンド目

 前ステでトリガー発動を食らってしまったのは余計でした。詰めが甘いのが私の良くないところです。今度こそ徹底的に待とうと思っても後の祭りです。追いつかれ、なんと引き分けになりました。

6本目(勝ち)

 最後はもう、なんかよく分かりません……。SFLの延長一先さながらの殴り合いでした。2ラウンド目のVスパイクCAなんて酷いもんです。ガードされてたらどう言い訳するつもりだったのか。

 

反省

 スコアで見ればわずかに勝ち越していますが、ほぼ互角の良い勝負ができたと思います。ソバットへの差し返しや防御のファジーコパンなど、用意した戦略が機能したのは取り組みとしてこの上ない成功でした。しかしながら、勝負の緊張感を差し引いてもミスがあまりにも多かったです。今後は、最近サボりがちなコンボや単発確認の練習を増やします。ミスを除いても反省点はいくつかあります。

  • もちもちさんの防御にリバサシフトがかなり多かったが、それを狩れなかったこと。
     事前にリプレイを見たことが裏目出て、リプレイで少なかったシフトを狩りに行けなかったです。データを過信すると危険ですね。
  • ソバット以外の強kやバンストなどに差し返しができなかったこと。
     ソバットに集中するあまり、他の技に差し返せなかったです。これは今の成長段階に鑑みて仕方ないと思います。少しずつ対応範囲を広げていきたいです。
  • 最低空EXストライクがソニックに潰される場面が多かったにも関わらず改めなかったこと。
     今後のガイル戦では、ゲージは弾抜けとコンボに回します。

 

おわりに

 今回の試合を通して、キャミィ・ガイルの組み合わせ、ひいては格ゲーの攻略について多くのことを学びました。素晴らしい機会を用意してくださったもちもちさんを始め、日頃から楽しい時間を共有してくれる格ゲーコミュニティの皆様に深謝申し上げます。